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素焼きが1230℃!?  2003年1月

   

     

言い訳から先に言っちゃうと(笑) 前日まで風邪をひいてごろごろしていたこと。
だから、その日は忙しくてお窯を見に行くことが出来なくて、スイッチを押したままだったこと。

夕方5:00には素焼きが終わっていたはずで そのつもりで夜の11時頃お窯をチェックしに行きました。
400℃台に下がっている頃だろうなぁ・・・と思いながら見たのですが、一瞬目を疑ってしまいました。

なんと964℃という数字が見えるではありませんか?
次の瞬間 「本焼きのスイッチを押しちゃったんだ!」とわかったのですが
時間的に考えると1230度まで上がって、きっちり30分のねらしをして焼成終了。
そして温度が下がってきたところだったのです。

そこには「大失敗!」と落ち込む自分と「実験してみよう!」とわくわくしている自分が
混在していました。この失敗でご迷惑をおかけした方もいらっしゃるので ワクワクしては申し訳ないのですが(笑)
一日冷めるのを待って次の日の夕方窯だし。
このときも「釉薬がかかっていないんだか 無理に温度を下げても貫入の心配もないし・・」と
結構気楽に早めに蓋を開けたりしてしまいました。


出てきたものはこのように綺麗に焼き締まったものでした。

最終的に作りたかったものは3種類

・呉須で下絵→透明釉で酸化焼成         
・化粧土で絵を描いて 透明釉で酸化焼成     
・いろいろな釉薬を掛けて酸化焼成あるいは還元焼成

この場合いろいろな釉薬を掛ける実験は後回しにして、
呉須色化粧透明釉 この実験をしてみることにしました。

  

   

     

呉須の実験

釉薬の問題は後で書くとして、いくら焼き締まった本体は吸い込みやすいとはいえ、やはり素焼きの生地に描くのとは違って、汚くなりま
した。 線描きはまだいいとして、ダミは予定外の所に流れていってしまいます。
右の画像で見ていただけばわかるように なんだかカビのようにダミが伸びていっています。

ちなみに左側のお皿のヒビは 唯一1230℃の素焼き(?)のお窯からヒビ入りで出てきたものです。この本焼きでヒビが入ったわけでは
ありません。

色化粧土の実験

別なモノ・・と考えれば とっても綺麗なできになったように思います。

このままでも良いかな?とも思いましたが、釉薬がかかっていないとあっ
と云う間に薄汚れてしまうようなので、やはり予定通りの作業(800℃で
素焼きをしたのと同じ作業)をしました。

1230℃で焼いてしまった本体の上も化粧土は綺麗にのってくれました。

釉薬がのらないんじゃないかという不安もありましたが、今回の実験では
問題なかったようです

完成しました。

貫入の感じも 何ら問題なく出たように思います
化粧土はもう少し綺麗でも良かったかな? ぐらいな感想です

             透明釉の実験    まずは底の部分に撥水剤を塗りました

さていよいよ透明釉をかけます

まずはドボンと浸けてみました。感覚的には800℃の素焼きの
モノより吸い込みが悪い・・
まあ当然なのかも知れませんが、斜めにしておくといつまでも
タラタラと流れてしまいそうなので、板の上に新聞紙を敷いて
その上に置きました

新聞紙についたところは 砂糖菓子のように釉薬が流れて固ま
っています

上の面には釉薬が一杯かかっていて流れようがないのでなかな
か乾きません

時間がないので それぞれ2分ずつ電子レンジにかけてみたと
ころ、綺麗に真っ白になりました(左の写真)

上の作品の流れて固まった釉薬を綺麗にこそげ取って
ピンホールを綺麗にして本焼き

うまくいったようです。

これは ドボンと釉薬を付けて、薄いといけないので乾いて
から上の表面に霧吹きで釉薬をかけました

上の部分は濃くなり過ぎたようで カイラギのような景色に
なりました。

これは いい加減に呉須で描いてから、表面にCMC糊を薄く溶
いたモノを塗ってから釉薬に浸しました。
なかなか乾かないし 泥の沼が乾いたような表面になってしま
ったのですがかまわず焼いてみたところこんな風になってしま
いました。

CMC糊を釉薬と混ぜて釉掛けする・・・とわざわざ藤澤さんに
は教えていただいたのですが、これだけのためにそういうのを
作るのも面倒になってしまったので(汗)手抜きをしてみたと
ころ見事に失敗しました。

やはり手抜きはダメですね(ふぅ~~)

これは 化粧土で文字を描いてから釉薬にドボンと入れて電子
レンジでチン(笑)

乾いて流れたものも綺麗に掃除してから 縦の面めがけて釉薬
をスプレー掛けしました。

少し スプレーのブツブツ感が残ったように感じましたが、い
つも作っているモノより堅く焼き締まった感じで頑丈そうな安
心感があるモノが出来ました。

まだまだ 1230℃で素焼き(?)してしまった作品がいっぱいあります
これからも 興味が失せないうちに実験してみようと思っています

   

     

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